以前あった山梨の彼女との2回目の宿泊。
子供たちは初めは戸惑っていたがいつの間にか仲良くなっていた。
サイクリングはできなかったけれど楽しい1日だった。
子供たちはバイキングが好きなようだが、今回はコース料理。
食べ放題だと食べすぎちゃうからね。
仕事で山梨に行くことになった、と家族にはそう伝えた。実際には、彼女との二人きりの時間を過ごすための計画だった。久しぶりの再会に心が躍る。彼女もきっと同じ気持ちで、この日を待ち望んでいたに違いない。
出発の日
朝早く車で家を出た。高速道路に乗ると、彼女との約束の時間に向けて期待と緊張が入り混じる。待ち合わせ場所は山梨の小さな駅前。彼女が待っている姿を見つけた瞬間、心臓が高鳴る。彼女の笑顔は眩しく、どこか罪悪感を吹き飛ばす力を持っていた。
「お疲れ様、運転大変だったでしょ?」
彼女の言葉に癒されながら、二人で車に乗り込む。
ワイナリー巡り
最初の目的地は山梨の有名なワイナリー。ブドウ畑が広がる中、彼女と手を繋いで歩く時間が何よりも幸せだった。
試飲コーナーでは、彼女が赤ワインを一口飲んで少し顔を赤らめた姿が愛おしい。
「こんな風にゆっくりできるの、久しぶりだね。」
そう言って微笑む彼女の横顔に、日常では得られない安らぎを感じる。
温泉旅館での夜
夕方、静かな山間の温泉旅館に到着した。二人だけの時間を楽しむため、個室露天風呂付きの部屋を予約していた。
露天風呂で肩を並べながら星空を眺める。都会では見られない満天の星に、二人とも無言で見とれる。
「ずっとこうしていられたらいいのにね。」
彼女の言葉に、胸が締め付けられるような感情が湧き上がる。そんな未来がないことを、二人ともわかっているのだ。
夜は地元の料理が並ぶ豪華な夕食を楽しみ、部屋に戻ると自然と寄り添い合った。彼女の温もりを感じながら、現実を忘れたくなる瞬間だった。
帰り道
翌日、現実に戻る時間が迫る中、彼女と過ごした時間が夢のように感じられた。
「また会えるよね?」
彼女の言葉に頷きながらも、心の中ではその答えに自信がなかった。
彼女を駅で見送った後、一人になった車内で、あの幸せな時間が一瞬の泡のように感じた。だけど、彼女と過ごした思い出は何よりも大切な宝物だ。
山梨の風景は、いつまでも忘れることができない二人の秘密を包み込むように、車の窓の向こうに広がっていた。