蒲郡のホテルからの景色は最高だった。
蒲郡の彼女とデートをした。
最初は掲示板から仲良くなって徐々に距離を詰めた感じ。
私たちは静かな温泉街へ向かった。旅行の理由はお互いに口に出さない。単なる気分転換だと言い聞かせながらも、どこか背徳感を隠せないままだった。
車を降りて宿に入ると、出迎えてくれたスタッフが温かいお茶を差し出してくれた。少し狭いけれど、清潔で落ち着いた部屋だった。窓からは湯気の立つ温泉街が見え、遠くには紅葉がかった山々が広がっている。
「いい場所だね。」
彼女が窓の外を見ながらつぶやく。その横顔に、いつも会社で見ている彼女とは違う、柔らかな表情が浮かんでいた。なんでもない言葉なのに、それだけで心が温まるような気がした。
夜、露天風呂に一緒に入った。貸切風呂だったおかげで、周りを気にせず話ができるのがありがたかった。お湯に浸かりながら、日々の仕事や家族のことを少しだけ話す。そこに特別な内容はないけれど、ただ二人でいるだけで不思議と心が穏やかになった。
夕食は地元の新鮮な魚や山菜が並び、普段食べ慣れない味に彼女が少し驚いた顔をしていた。「美味しいね」と何度も言う彼女を見ていると、特に何かをしているわけでもないのに、自分が少し役に立てているような気分になれた。
夜遅く、布団に入りながらお互い何も言わずに過ごす時間があった。その沈黙が心地よく、そして少し切なかった。ふと目が合うと、彼女が小さく笑った。いつも強がりを見せる彼女の、その無防備な笑顔がやけに心に残った。
部屋はとても広く、一部屋は荷物置きにした。
廊下もとても長い。
ご飯はビュッフェで最高だった。
セックス目的で会ってはいけない。
セックスよりもホテルやご飯を楽しむ、そんなスタンスのほうが彼女と上手くいく。
それがアラフォーの彼女と長く続く秘訣である。